突然の展開に動揺しちゃってる暇はない。

真里菜に電話して、

「今晩、友夜んち泊まる事になったから真里菜んち行った事にしといて。

親バレまずいし、頼むね。」

って言ったら真里菜は、

「あんた、友夜んち泊まるって?

何?泊まるって事は、やっぱ エッチするって意味じゃん?」

ってはしゃいでた。

あたしは、

「解んないよ、ただ一緒にいたいって思ったから一緒にいたいだけやもん。」

って答えた。

あたしは着替えると、母親に、

「真里菜んち泊まるから。」

って言った。

「あんたケガしてるのになんだか変な子。

ご飯は食べてかないの?」

って聞いてきた。

「いらない。

真里菜の親が留守だから泊りに来てって言われたんだ。」

あたしは不機嫌そうに返事した。

「でも急じゃない?

それにあんたケガして学校休んでるのに!」

「うるさいなあ!

明日は休みじゃん。

ご飯はいらない。

 もう行くから。」

あたしは逃げるようにうちを出た。

友夜にメールした。

《今からそっち行くから》

友夜から、

《俺、近くまで迎えに来よっか?》

って返事が来た。

《親バレまずいし、うちで待ってて》

そして、あたしは友夜のうちに向かった。

夢中になって頭が空っぽだったのが急に、あたし友夜んちに泊まるって事は・・・って冷静になっちゃった。

やっぱ、そんな事になっちゃったりするのかなあ・・・。

さっきの真里菜の声が頭に浮かんだ。

エッチするとかってやつ・・・。

もうどうでもいいや。

なんだか投げやりになっちゃってる。

そうこうしちゃってたら友夜んちに着いた。

ピンポンを鳴らすと友夜が現れた。

「夢じゃないんだね青・・・。」

いきなり抱きついて来た。

友夜は海の匂いがする・・・。

めまいがしそうだよ、友夜・・・。

あたしはこの日、生まれてはじめて男の子に抱かれた。

友夜も同じだった。