Teennage Blue 上巻 (ティーンエイジ ブルー)

 弟は笑いながら、

「俺がお前の父親なら俺はお前を10才で仕込んだ事になるじゃんかよー!」

って笑った。

「好きに呼べ。」

 そう言った。

 悲しい記憶も、辛い過去も心のどこかに閉じこめて、彼は生きて行こうって決めてた。

 大人のエゴイズムに翻弄された幼き記憶は、封印して何もかもリセットしようと決めていた。

 自分には父親も母親もいない。

 そんな時だった。

 楽しそうに海辺を走る親子の姿を見た。

 元気そうな女の子と父親はやたら大きな声で笑ってた。

 友夜には何故か、その親子が印象的だった。

 女の子は父親に肩車されたり、肩にしがみついたりしている。

 とても楽しそうに笑ってる彼女が気になった。
 
 それは何故だか解らないけど、とても気になった。

 サーフィンをするのに海に行く度に、女の子を見るようになってた。

 女の子はそんな事なんてまったく気がついてはいなかった。

 友夜が中学になる頃から、祖父母が新築すると言い出し、土地を購入し、新しい家を建てた。

 今の家も、まだまだ住める。

 祖父母は自分達はそのままここに住むから、新しい家に、弟と友が住むようにと言った。

 新しい家は進行住宅て、すぐ近くに海がある。

 弟と彼はそこに移り住み、2人暮らしが始まった。

 弟は仕事で遅くなる日も多いので、友夜は1人暮らししてるみたいな感じだった。

 中学に入ってからの友夜は、今までとは少し違って来てた。

 あまり笑わないし、感情を見せないし、どこか冷めたイメージだった。

 彼には子供らしい感情が見えなかったのだが、友達が出来始め、同世代の仲間と、どんどん普通にコミュニケーションを取れるようになって行った。

 小学6年位までは、周りを寄せ付けない雰囲気があって、誰も近寄れない感じだったから・・・。

 ごく限られた友達がいただけだった彼は、中学になってからは誰とでも普通に話ができるようにまでなっていた。

 そして、そんな彼に女の子達は夢中になっていった。

 そんな事にまったく興味なければ、気にもならない彼はスノボとスケボーとサーフィンに明け暮れ、どこにでもいる中学生の男の子らしい、普通の生活を送ってた。

 あの記憶などまったく思い出す事なく、前を向いて歩いていた・・・。