中学生や高校生の先輩の家を転々とする毎日。

　先輩らは昼間は学校に行っている。

　小学６年生のリサは学校へは行ってなかった。

　夜の街では、大人が声をかけて来て彼女に援交を求めた。

　彼女は最後の一線は絶対に越えない条件付きでギリギリの所でＯＫを出した。

　そして、お金が入るとぱーっと、使うそんな毎日。

ある日の夜、いつものように街へ出かけ、街で知り合ったサラリーマンと待ち合わせしていたら補導員に捕まってしまった。

　彼女は強制的に家に連れ戻された。

　母親は男と別れていた。

　男は妻子が待つその家に帰ったのだ。

　また、母親との２人暮らしが始まった。

　中学生になったリサは相変わらず夜の街に繰り出す。

　でも前とは違うのは、彼女には高校生の彼氏が出来てたって事だ。

　しかし、いつものように夜の街を彷徨うリサの目にある金髪の男の子の姿が映った。

　ケンカにあけくれ暴言吐きまくりの彼に見覚えがあった。

　純だ。

　実は彼女は中学に入った頃からずっと純の事が気になってた。

　でも純には彼女がいて、めちゃめちゃ仲がいいってのも知ってた。

　彼女とリサは同じクラスだった。

　特別話をした事はなかった。

　接点もないし、仲のいい友達も違う。

　彼女と純が一緒にいてふざけてるのを見る度に羨ましかった。

ある日、リサは思いきって純に声をかけたのだ。

　純は相手を殴り倒したばっかで息が上がってた時だった。

　純に向かって、

「ねぇ！

　私、あんたの事がずっと好きだったんだ。」

　と、そう叫んだ。

　純は髪の毛をかきあげると、

「お前誰や？」
　
　ってそっけなく返事をした。

「あんたの彼女と同じクラスのリサっ！」

「あっそ、俺、今それ所じゃねーからバイバイ。」

と、連れのバイクの後ろに乗って去って行った。

　リサは決心した。

　今の彼氏と別れよう。

　私は純の事がやっぱ好きだ！

　夏休みが終わりそうな暑い夏の日の夜、夜空を見上げるリサはそう思った。

　リサは今の彼氏に言った。