そんなある日、純から、

「俺んちの親父が女作っちゃってさー、その女んちのアパートに入り浸りで母ちゃんまで男作っちゃって、俺んちメチャクチャだぜー。

家庭崩壊なんだよなー。」

って笑った。

あたしは、

「あんたんちに弟いるやろ？

　どーしてるの？」

って聞いたら、

「ばーちゃんちに預けられてるからな。
　あいつは何も知らないんだよねー。
　親父が、たまたま昨日、帰って来たから蹴りまくってやったぜ。
　でも女と別れねーんだよな。
　もう知らねーわ。」

　あたしは、

「あのさ、家にいるのがキツいならうちにおいでよ。」

　純は、

「お前んちで暮らそっかな？

　そうなったら同棲やな？」

　って、私の手を強く握った。

　うちのお父さんもお母さんもおばーさんも純の家庭の事情を知ってたから、普通にＯＫした。

　純は、うちのお父さんの部屋にしばらく住んでて、寝る時とお風呂ん時以外は一緒にいたけど、学校でも友達にも秘密にしてたから誰も知らなかったんだ。

　たまにあいつとあたしの友達に、なんか怪しい～って思われてたけど、周りもあいつんちの今の状況を知っていたので誰もなんにも聞いて来ない。

　あたしは毎日彼がいるのが超嬉しくって、純には申し訳ないけど幸せだったんだ。

　１ヶ月ほどして、純のお母さんが彼氏が別れて、落ち着いちゃったらしいって事になって、おばーちゃんちから、弟を引き取って、純もお母さんも家に戻る事になって、楽しかった秘密の同棲生活は終わった。

　でも、純がお母さんと暮らせるんならそれが１番だしあたしは嬉しかった。

　純の生活も、少し落ち着きだした頃、純から衝撃的な告白をされて・・・

　その告白の内容こそが、あたしを奈落の底に突き落とした原因で、あたしと純の関係はあっけなく終わってしまう事になったんだ。