あたしは、朝からなんだか凄く、あの場所に行きたくてたまんなくなってた。

　あの場所ってゆうのは、この間、夕月と一緒に乗った観覧車のあったあの街のあの観覧車だ。

　なんでだろ？

　観覧車から見た景色がめちゃ見たくなってたまんなかった。

　夕月は今日、引っ越しで忙しいって言ってたから夕方までは会えないよなあ・・・。

　あたしは、１人でこの間の観覧車の所に行ってみようって思った。

　電車に乗って、１人で違う街に行く。

　なんか、ちょっぴりワクワクする。

　車窓から見える大きな河が県境の目印だ。

　おっきな河だな・・・。

　河を越えると、隣の県に入った。

　そろそろ着くよね・・・。

　あたしは席を立った。

　改札口を出て地下道を歩く。

　この間と同じように階段を上がるとコンビニがあった。

　コンビニを少し行くと小さな公園があって、ちょっとだけ進んだら目の前に観覧車が見えた。

　わあ～～っ！

　町ん中にひときわ目立つ観覧車に圧倒されちゃうよ・・・。

　あたしは子供みたいにはしゃいでた。

　ワクワクが押さえきれず興奮しまくりで観覧車のある場所に向かって走り出す。

　チケットを買って渡すと観覧車の扉を係員が開いてくれた。

　「どうぞ。」

　この間は夕月と２人で乗った観覧車。

　１人っきりもなんだか楽しいかも・・・。

　ゆっくりと空に向かってくみたいで不思議な感覚だよね。

　景色がめちゃ綺麗～～。

　みんなちっちゃい～～。

　ミクロじゃんっ！

　ミニチュアだよ～～っ！

　あたしは１人でテンション上がりっぱなしだった。

　だんだん、てっぺんに行くとさすがに怖くなった。

　手から汗が出ちゃってるよ～～。

　あたしはドキドキしながらもてっぺんから見える街の風景とか空が近くにあって太陽がつかめそうな距離感を感じたりしてめちゃ興奮しまくりだった。

　少しずつ降りてくにつれてドキドキがなくなり、ほっとしたけどなんだか残念な気分にもなったりする。

　あ～あ、着いちゃった。

　観覧車を降りる。

　観覧車の他はメリーゴーランドだけがあって、子供達が歓声を上げてた。

　親子ずればかりが目立つ。

　日曜だしねっ。

　あ～～、なんかお腹すいちゃったあ・・・。

あたしの目にアイスクリーム屋さんとクレープ屋さんが見えた。