自分の感情をコントロール出来ない彼女はある意味孤独・・・。

「あれ、さっきの女じゃね?

 何わめいてんだあ~~?」

 蘭の声がヤンキーらのところにまで届いてた。

「見てこよ~~っと。(笑)」

 ヤンキーの1人が近づいてきた。

 あたしと夕月は振りかえらずに歩く。

 蘭があたしを罵倒する声が痛い位に響い
てた。

「死ね~~っ!

 あんたなんか死ねばいいんだ~~っ!」

 様子を見に来たヤンキーがビビりまくって戻ってった。

「なんかコワッ。(笑)

 あの女、頭変なんみたいかも?」

「えっ、マジで?

 なんか恐いよ~~。笑笑」

「はっ?

 てか、青じゃね?」

「純?

 あのカップル青じゃんかっ!

 マジか?」

 純がこっちを見た。

 あたしは夕月と純達の前を通りすぎた。

「てか青、シカトするし。(笑)

 な~~んか大変な事になってません?(笑)

 あいつやっぱり青をいじめてる女や・・・。」

 蘭はずっとあたし達に暴言を吐きながら泣いていた。

「なんかヤバイから、ずらかろーぜ。」

 原チャに乗ったヤンキーらが立ち去った。

「あの女誰よ?

 なんで青にあんなん言うん?」

 ヤンキーの1人がつぶやいた。

 純は黙ったままだった。

 蘭は夕陽が沈んだ海に1人うずくまったままタバコの煙を見つめてた。

「お兄ちゃん・・・。

 あんな女にお兄ちゃんを取られてたまるもんかっ・・・。」

 蘭は何度もこう繰り返してた。