そして、

「嘘でしょ?

 あん時のあたしは猿みたいだったし、ケンカばっかしてたし、女の子じゃないもん。」

 友夜はオレンジジュースを一気飲みすると、

「あのね、マジなんだよね。

 この話。」

 そう言って、あたしの顔をじっと見た。

 はずかしくて目を反らすあたしに、

「キスしていい?」

 って聞いきた。

 心臓が止まりそうになった。

 あたしには純がいたけど、そうゆう経験はまだ何もなかったもん。

 どうしょう・・・。

 焦ったあたしはうつ向いたまま沈黙した。
 
 心臓の音が友夜に気づかれちゃったらどうしよう。

 あたしは消えてしまいたい位に恥ずかしくてたまんなかった。

 うつ向いたままのあたしに、

「俺は、青での事が好きだから、ふざけてこんな事言ってるわけじゃないから。」

ってつぶやいた。

 友夜の顔が見れないまんまのあたしは、どうしていいのか解んなくて、やっぱうつ向いたままだった。

「あのね、私ね・・・。」

 そこまで言ったその時、友夜のちょっぴり長めな前髪が目の前に近ずいて一瞬えっ?て思った時、あたし達はキスをした。

 あたしにとって、ぎこちない初めてのキスはファンタのオレンジとグレープがミックスした味がした。

「ごめんね。

 びっくりさせて。」

 友夜はちょっぴり恥ずかしそうにあたしを見た。

 あたしは、とにかく平気なふりをして、

「全然大丈夫っ。」

 て、笑ったんだ。

 本当はもう心臓が爆発しちゃいそうになってたけど必死で平気なふりをした。

 私はなんだか複雑な気持ちだった。

 あたしは本当に友夜の事が好きなんだろうか?

 突然のキスに動揺したけど、好きな人とキスしたっていう嬉しさ見たいな感情がまったく無かったんだ・・・。

 あたしは、もしかして本当は凄く冷めた奴なんじゃないかなって思った。

 友夜は前髪をかき上げながら、

「さっき、青は何を言おうとしたの?

途中でこんなんなっちゃったからさ。」

 あたしは、自分が何を言おうとしてたのか、もう思い出せずにいた。

「ごめん、忘れちゃった。」

 友夜は、

「俺は本気やから」

って、何度も言った。

 私は黙ってうなずいた。

「ありがとう。」

 時計はもう8時を少し過ぎてた。