「何の話だあ?

 てか、純あの女知ってんのか?

 紹介しろ~~っ!(笑)」

「バカかお前ら。

 あいつはお前らには無理だっっーの。

 あいつは簡単に落ちねーわ。」

「なんだよ~~。

 お前なら落ちるんかよ~~っ!」

「てか、俺、タイプじゃねーし、いらんわ。」

「クソ~~。

 モテるからって調子こきやがってぇ~~っ!(笑)」

 蘭はヤンキーらの騒いでる声に振り返るとシラッとした顔で、

「頭の悪そうなクソみたいな奴らだっ!」

 そう言って笑った。

 夕陽が海に沈みそうなギリギリの景色の中、夕月は蘭と手をつなぎながら歩いてた。

 そこに不機嫌そうにタバコを吸う蘭が現れた。

「蘭?」

「お兄ちゃん・・・。」

 蘭は思わずタバコを投げ捨てると、

「お兄ちゃん~~っ!」

 そう言って夕月に抱きついた。

 あたしは突然目の前に現れた蘭に後ずさりしそうになったまま、そこに固まってた。

「蘭、どうしたんだよ?

 タバコなんて吸ってんの?

 てゆうか、どうしたんだよ。」

 蘭は夕月にしがみついたまま離れようとはしなかった。

「お兄ちゃん、どこにも行かないで。

 あたしから離れてかないでよ~~。

 蘭とお兄ちゃんはもう離れらんない関係じゃん?

 だって、お兄ちゃんはあたしとエッチしたじゃん・・・。」

 そう言うと妹はあたしの顔を見た。

 あたしは何にも言えず、ただ黙ってるしかなかった。

「蘭?

 嘘はダメだよ。

 僕は蘭とは何にもないじゃん?」

「お兄ちゃん酷いっ!

 酷いよ~~っ!

 この人の前だからって隠さなくったっていいじゃんっ!」

 もうダメだ・・・。

 あたしは息苦しくなってた。

「蘭っ!

 いい加減にしてくれよ。

 僕には青がいる。

 青の事が好きなんだっ!

 青行こっ!」

 夕月が蘭を突き放すと青の手を引いて歩き出した。

「お兄ちゃんっ!

 お兄ちゃんっ!

 なんでそんな女がいいのよ~~っ!

 そんな女、死んじゃえばいいんだっ!

 てか死ね~~っ!」

 蘭は自分が押さえられなくなり、ところ構わず叫ぶ。