放課後、いつものように夕月と帰る約束をしてたあたしは、いつもの待ち合わせのコンビニの前へと急ぐ・・・。

　夕月は、もうとっくに着いてて、ヘッドホンで音楽聞きながら入口近くに立ってた。

「夕月ぃ～～っ！」

　あたしは夕月のヘッドホンの左耳をはずして、ワッ！て耳元で叫んだ。

「青～～っ！」

「キャハハハ・・・。

　てかさあ、夕月ったら、めちゃでっかい音で音楽聞いてるけど、うるさくないの～～？」

「うるさいって、思ってたら爆音で聞いてないし。(笑)」

「そっか。(笑)」

　あたし達は手をつないで歩き出した。

「あのさあ、もう明日っからは、お互い先に帰れそうな方が校門とこで待ってるのにしない？

　コンビニまで行かなくたって大丈夫じゃないかな？」

「あたしもそう言おうって思ってたんだあ・・・。」

「じゃあ、そうしょっ？」

「うん・・・。」

　あたし達の事を噂するのも最近じゃ無くなっちゃってたんだ・・・。

　もう、違う誰かの話題でみんなが騒いじゃったりしてるし・・・。

　人の噂ってそんなもん・・・。

「あのさ、青。

　今週の土曜日から引っ越しで、日曜日の夕方には終わるんだ。

　アパートってのがさ、さら遠くにあるんだ・・・。

　町の方。

　ほらマックとかゲオの近くのスーパー
とドラッグストアーあるじゃん？

　あの裏にあるんだあ。

　日曜日の夕方にはみんな帰るから、青来てみる？

　みんなって言っても荷物運ぶのは父親の知り合いの人で荷物置いてくだけだし、母親だけいるんだけどさ。(笑)」

「あのさあ、夕月。

　気分を悪くしたらゴメンね・・・。

　前からわかんないんだけどさ・・・。

　夕月のお父さんって人なんでそんなに夕月の事を目の敵にしてんの？

　なんか異常な気がしてならないよ・・・。」

「うちは変わってるからね・・・。

　うちの母親の友達と今の父親が結婚して蘭が生まれたんだよ。

　なんか複雑でわかんないでしょ？

　つまりさ、うちの母親と今の父親がね高校ん時付き合ってたんだ・・・。

　そんな時に父親のダチが母親の事を好きになって・・・。

　ダチがうちの母親を奪っちゃったわけ。

　そのダチの彼女だった人が蘭の母親なんだよ。

　そしてこのダチってのが僕の実父。