あたしと夕月は無言のまま、観覧車がある場所から離れた。

 時間はあっとゆう間に過ぎていく・・・。

 もう午後3時を回っていた。

「青、どうしよっか?

もうちょっとこの街にいる?」

 歩きながら、あたしは空を見上げた。

「夕月ぃ。

 さっきまで青空やったのになんか雲って来てるよ・・・。」

 夕月が空を見る。

「ほんとだね。

 なんか降ってきそうだな・・・。」

 雲が、めちゃ速いスピードで流れてく。

 太陽がぼんやりしてるし・・・。

「なんかヤバイよ・・・。

 雨になるから・・・。」

 夕月はあたしの手をしっかりと握ると、

「青、見てっ!

マックが見える。」

「ほんとや~~。

 マックや~~。」

「なんかさ、マックがあるとさ、知らない街に来ててもなんか安心しちゃうんだよね。

 笑っちゃうよ・・・。」

 ポツポツと降りだした雨にあたし達は走り出す。

「冷たい~~っ!

やっぱ降ってきたっ!」

「今のうち避難だっ!」

 あたしの手をしっかりにぎったまんま夕月は走るあたしは髪がちょっぴり濡れても 気になんない位に楽しかった。

 夕月と一緒にいるのが楽しかった。

 夕月のセットされた髪がペッタンコになっちゃっても、あたしは雨に濡れるのが嫌いじゃなかった。

 なんか雨って不思議だよ・・・。

 マックに着くとあたしはハンカチで夕月の髪のしずくを拭き取る。

「夕月って、なんか女の子みたい・・・。」

「えっ?

 マジ?」

「言われない?

 女の子みたいだよ。

 なんか可愛いね。

 美少女・・・。(笑)」

「え~~っ。

 て、ガキん時はたまに間違われたりもしたけどね。(笑)」

 マックには、まだそんなに人はいなかったけど、なんだか周りの視線が気になる。

 見てる・・・。

 あたしとあんま変わんない位の女の子達とかがいて、

 ああ・・・、みんな夕月を見てるんだ・・・。

 髪が伸びてきてる夕月・・・。

 黒目がちな大きな瞳に長くて濃い睫毛が女のあたしから見ても超うらやまだよな・・・。

 女の子達が夕月を見て噂してる・・・。

「青、これからどうする?

 青、何か食べよ・・・。」

 夕月がポテトとシエイクとコーラとハンバーガーを2つ買って来た。