「あたしは夏川 青の知り合い。」

「ふーん。

 彼氏を自殺に追い込んじゃった女の知り合いなんだあ・・・。

 あたしは、ただうちのお兄ちゃんに近づいて欲しくないだけなのっ!

 お兄ちゃんまで自殺しちゃったらどうしてくれるわけ?」

「あんたさあ、自殺したわけとか知らないだろ?

 何も知らないくせしてうるせーんだよっ!

 あんた兄貴の事好きなんだろー。

 可愛いねー。

 嫉妬してんだあーーーー。

 でもね、兄貴は絶対にあんたんとこには来ないからっ!

 あんたみたいな腐った女には行かない。」

 蘭は泣き出した。

「ワアーーンっ!」

 その泣き声に蘭のクラスの女子らが心配そうに詰め寄った。

「蘭をいじめないでもらえますかっ?

 蘭が可愛そうーっ!

 蘭っ!

 大丈夫?

 この人にいじめられたの?」

「うん。

 あたしいきなりこの人にガンガン責められちゃっても~~嫌だあーっ!」

「はあ・・・。」

 リサはため息をつく。

「アホくさっ。

 あんたと話す時間がもったいなかったみたいだわ。

 友達らに慰められハンカチで涙をふいてもらってる蘭。

 リサは、

「とにかく、あんたは腐ってるわ。

 そんだけ。

 じゃねー。」

って去ってった。

「蘭?

 怖かった?」

 友達の1人がそう言うと、

「冗談言ってるわけ?

 あたしがあんな女が恐いわけないじゃん?

 タルいから泣き真似してやっただけよっ!」

 蘭は今まで泣いてたのが嘘みたいに平然とした素振りをした。

「あの女、偉そうにっ!」

 蘭はリサの後ろ姿をずっと睨んでた。

 廊下を歩くリサに純が出くわす。

「青をいじめてる奴らとかしめてやんないとな?」

 純がイライラした顔で言うと、

「多分、もう大丈夫だよ。

 たださあ、あの子の今付き合ってる1年の彼氏の妹ってのが、たいした奴でさ~~。

 てごわいんだよね・・・。

 まあ、気持ちはわかるから・・・。

 好きな相手を他の女に取られたくないってゆうか、その女をめちゃ好きってのがわかるだけに行き場がないんだよね。

 そんなんよーくわかるから、あたしはあの妹ってのを責める気持ちにもなれないんだよね・・・。

 あんたならわかるやろ?」

 リサが笑う。