私の胸はドキドキしっぱなしだ。

 でも、あたしから電話をする勇気なんてない。

 てゆーか、何の用なんだろう?

 気にしてもしょうがない。

 何もかも、どーでもよくなってきちゃった。

 洋服だっていつものあたしでいいじゃん。

 そのまんまのあたしでいいんだ!って思った。

 アッとゆう間にもうすぐ5時になっちゃう。

 あたしはチャリを飛ばして約束の海に向かった。

 海のすぐそばにある公園に着いた時には、もう友夜がいた。

 あたしはハアハアと息を切らしながらチャリを引っ張って、友夜のいる場所へと向かう。

 夏の5時はまだまだ明るい。

 太陽が元気すぎる。

 友夜は、

「今日、今から俺んち来ない?
 
 父さんの帰り遅くなるんだ。」

 あたしは迷わず、

「うん!いいよ!」

 って返事した。

 一緒にいたいって気持ちに嘘はなかったもん。

「俺、歩いて来たんだ。

 青のチャリの後ろに乗っけてもらおっかな?」

「ええー無理だよー。

 なら、あたしが後ろに乗るよ。」

「そうだよね。

 女の子の後ろに乗るなんてダメだよねー。

 OK、じゃ、後ろに乗って。

 俺がこぐからさっ。」
 
 あたしは友夜の後ろに乗った。

 海岸線をチャリで2人乗りして、隣町にある友夜の家に向かう。

 途中で坂道をぐんぐんこいで、こんどは坂道を猛スピードで滑る。

 メチャメチャスリルある。

 てゆーか超楽しい!
 
 あたしは思わずギュッて、友夜のシャツにしがみついた。

「青、怖い?

 しっかり捕まっててね。」

 友夜は優しい。

 そして夏の匂いがする・・・。

 なんだかとっても好きになっちゃったかもしんない。

 このまま夏休みが終わらなきゃいいのになーって思った。

 だってこれは、夢なんじゃないか?って思った。

 夢から覚めたらどうしょうって、夏の魔法がとけたら終わる気がしたから・・・。