電車から海が見えた。

 夕陽が静かに海に沈むのに見とれちゃったよ・・・。

 駅につくと、あたし達はまったくきずいてなかったんだけど、あたしと同じクラスの子にバッチリ見られてたんだ。

 あたしと夕月は手を繋いでて、周りから見たら多分、凄くラブラブな2人なんだろうな・・・。

 実際その通りなんだけど・・・。

「ねぇ~~、夏川さんと年下イケメン彼氏じゃん!

 なんか、めっちゃラブラブじゃん?」

「ほんとだあ~~。

 でも、よくやるよね・・・。

 元彼が自殺とかしてまだ日が浅いじゃん?

 もう新しい男作っちゃうなんてさー。

 考えらんなくない?

 つーかさあ、夏川さんて元々、純と付き合ってたじゃん?」

「そうそう、一体どうなってんの?」

「知らなーいっ。

 死んじゃった彼氏がかわいそうじゃん?

 夏川さん何とも思ってないのかなあ?」

「思ってるわけないじゃん?

 ラブラブな彼氏がいるんやよ。

 なんか最低っ!

 自殺の原因て夏川さんだって噂聞いたよ~~?」

「知らなーいっ!」

「ハハハハ・・・。」

 あたしは、まだ気付いていなかった。

 あたしと夕月が好奇な目で見られ始めてたって事に・・・。

 そして、それが耐え難い現実となってあたしを苦しめる事になるなんて。

 全然気付かなかったんだ。

 夕月の事が心から好きになり始めてた矢先・・・。

 あたし達の前に逃げ出したくなる現実がすぐ側までちかずいてるなんて・・・。

 わからないまま・・・。

 あたし達は笑っていた。

・・・・・つづく・・・・・