なんだかちょっと嫌な女の子・・・。

「青、あいつ、ただの幼なじみだから気にしないでよ?」

「うん、わかってるよ~~。」

 あたしは夕月にくっついた。

「どっか行こっか?

 僕が住んでた街はこんな感じだってわかってもらえて良かったよ。」

「夕月が通ってた学校とか見てみたいな・・・。」

「じゃあ行ってみる?

 ちょっと遠いけどいい?」

「いいよ、お散歩気分で楽しいもん。

 知らない街ってなんかワクワクするもん!」

 マンションとかビルとか会社とかたくさん並んでる街はあたしの住んでる海辺の町とは大違いで車の数も半端ない。

 そんな街のど真ん中に夕月が通ってた小学校があった。

「夕月って都会の子やったんやね~。」

 あたし達は小学校の校門の前に着いた。

「おっきな学校ーっ!
 
 夕月はどんな子供やったん?」

 あたし達はグラウンドの横にあるタイヤで出来たイスに座った。

「普通にガキだよ。」

 夕月が笑う。

「父親が死んでからずっと母親と2人で暮らしててね、母親は帰りとか遅い日もあったりしてさ。

 そんな時は僕が夕飯とか作ったりしてたんだ・・・。」

「へぇー、偉いじゃん。」

 あたしは感心した。

「ずっと、母親と2人でいるんだと思ってたら、いきなり新しい父親になる人に会わせたいって言われちゃってさ。

 父親になる人、つまり今の義理の父親と蘭が現れて、再婚したってわけ・・・。

 けど、その父親が僕の事が気に入らないみたいでね。

 シカトしまくられてさ。

 それは別にいいけど、うちの母さんも父親の連れ子の蘭が嫌いでシカトしてんだ・・・。

 あり得ないよね?

 子供の意思なんてないよ。

 そのまま再婚しちゃったんだ。

 笑っちゃうよね。」

 夕月が寂しそうに見えた。

「夕月・・・。

 あたしで良かったら何でも聞くよ。

 あたしはあんたの側にいるからっ・・・。」

「青、ありがとっ。」

 夕月の肩に頭を乗せた。

 帰りに駅前でお茶して、電車に乗って帰った。