「あのね、先輩に声かけたんだ。

 だから、とっかかりはあたしなんだよね。

 ハズかったけど超~がんばったんだ。

 廊下に珍しく1人で歩いてた先輩に写メ取らせて下さいっ!って、お願いしたんだあ。

 そしたら一緒に撮ろって言われて、そのあと、そのままキスされちゃったんだ。

 そしたらね先輩が、俺とつきあったりしちゃいます?

 なんて言うんだよ~~。

 んも~~、死んじゃうかと思ったし~~。

 もち即OKしたよ。」

 美雨が楽しそうにしてると、あたしまで嬉しくなってくる。

 あたしは美雨に、

「がんばれよ~~。

 彼女にバレないようにね~~。」

って笑った。

「だからさあ、学校で会っても知らんぷりしないとダメなんだあ。

 彼女にバレたら大変だからね~~。

 その彼女って人めちゃめちゃキツそうに見えた。

 綺麗でプライド高そうな女。

 美雨とは正反対だった。

「美雨は話しかけやすいし愛想がいいし可愛いからね。」

「青も、がんばんないとダメだよ。

 もう辛い顔してる青見るの嫌だからね~~。

 てか、夕月めちゃタイプ~~。
 
 ジャニーズじゃん。(笑)

 純とハッタだよね~~。(笑)」

 あたしと美雨は笑いながら教室に入ってった。

 HRが終わると、授業が始まる。

 あたしは早く放課後になんないかって、そればっか思ってた。

 昼休み、廊下で純にバッタリ出くわした。

 あたしは、

「昨日はありがと。

 送ってくれて助かっちゃった。」

 って言った。

「風邪引かなかった?

 俺なんか調子悪いぜ。

 なんか熱っぽくてよ~。

 お前が大丈夫ならいいよ。」

 純がいつもよりテンション低めだ。

「北岡くーんっ!」

 その声は穂乃花だ。

 穂乃花は純の横に恥ずかしそうに寄り添うと、

「風邪引いたの?

 大丈夫?」

 って心配そうに純を見つめる。

「大丈夫。

 こんなもんで俺がくたばるわけね~~だろうがよっ!

てか、穂乃、悪い。

 シャーペンのシンなくなっちまったから くれっ!」

「うんっ!」

「じゃ、またな。」

 純は穂乃花と行っちゃった。

 てか、穂乃って呼んでるんや・・・。

 穂乃花ってなんかほっとけない雰囲気だよね。

あの儚そうな雰囲気、支えてあげたくなるってのもよくわかる。