あたしと友夜はイベント広場から少し離れた公園のベンチに座った。

「あのさー。」

 友夜は小さな声で言った。

「本当はね、青の事は子供の頃から知ってたんだ。」

「えっ?」

 あたしはビックリした。

「子供の頃って?」

「小6の頃かな?

 父さんとよく海にいたやろ?」

「えー、見てたん?

「俺も海にいたもん。

 とーさんがサーフィンしてて、一緒についてったからね。

 その時、よく青の事見てたよ。

 青はとっても元気な女の子で、父さんと楽しそうにしてたよね?」

 あたしはまっ赤になった。

 だって、小学生の頃のあたしはケンカといたずらばっかしてたんだもん。

 超マズイ・・・。

 あたしは無言になった。

「その頃から、青の事が気になってたんだよね。」

 そう言って友夜は笑った。

「もちろん、青には純がいた事も知ってたよ。
 
 でも、絶対いつか君に会いたいって思ってたら会えたんだよね。」

 友夜の笑顔は最高に優しい。

 あたしにはもったいないって思ったし、今でもそう思うちゃうけど、あたしはだんだん友夜の事が好きになりはじめてるような気がしていた。

 純にはない大人びた表情とかにどんどん惹かれていった。

「バンバンバン!」

 花火が上がった。

 夜空に上がる花火があたし達を照らす。

 友夜の瞳はキラキラしてとっても綺麗だ。
 
 携帯にメールが入った。

 真里菜からだ。

《わたしら2人で楽しむから、あんたらも2人でラブラブしなよー。

 バイバーイ。》

 私は、友夜に真里菜からのメールを見せた。

 友夜は、

「これからも、ずっと2人でいれたらいいね。」

って、花火の音にかき消されそうで聞き取れない位に小さな声でつぶやいた。

 でも、あたしにはちゃんと聞こえてたんだ。

 そして、あたしはうなずいた。

 花火は連発して上がり、まるであたし達の恋を応援してくれてるように思えた。