あたしは夏川 青。(なつかわ じょう)

 中2の14才。

 彼氏の純は、同級生で幼なじみ。

 純は、ハチャメチャな男の子で、かなりイカれてる。

 あたしも、かなり個性的だから、ベストカップルだ。

 純の家庭が複雑で、うちに帰るのが憂鬱な時には、あたしんちでお泊まりしてた。

 でも、みんなが想像するようなエッチな関係とかはなくって、彼氏って言うより一番仲良くて、一緒にいて楽しくって、笑える大事な兄弟みたいな感じだった。

 ケンカをすれば、本気で取っ組みあいになるし、女の子とかまったく関係なく、本気でバトルする。

 冗談か、本気だか解んない行動や言動にイライラしちゃうけど、最後には一緒にいるんだ。

 周りから見たらおバカ?ってゆうレベルをぶっ越えたバカップルだった。

 でもね、あたしには、そんな事、どうでもいいって思ってた。

 あたし達がハッピーでラッキーなら、それでいいんだ。

 そんなある日、純は、

「俺ってば、人妻にコクられたんだよね。

 ショッピングセンターのレジ打ちしてる女で誘われちゃったんだあー。

 どうすっかなー?」

と、笑いながらあたしを見た。

 あたしは、こいつに一度も好きとかって言葉を口にした事がない。

 なんだかよく解らないけど負けたくないって感じ。

 こいつはいつも、お前は最高とか、好き過ぎて死にそうとか、ふざけた事ばっか言う奴だっ

たけど、あたし的にはとっても嬉しかったんだ。

 でも、自分から素直に好きって言うのが、どうしても言えなかった。

「人妻ってどんな人なん?」

って聞いたら、名前とか年齢とか、ベラベラ言うから、それを頭にインプットして、友達の美雨(みう)に相談した。

そしたら美雨が、

「えー?

うちのママも最近パートで同じ店でレジ打ちしてるから多分知ってるよ。

聞いて見てあげる。」

と言った。

 次の日、美雨は、

「その女ってば、凄いらしいよ。

 若い男の子が大好きらしくって、同じ仕事場にいるおばさんの大学生の息子を誘って付き合ってたんやって・・・。

恐い女やわー。

結婚してて、子供が二人いるんやってさ!」

って言った。

 なんだか凄く見たくなったあたしは美雨と二人で、そのショッピングセンターへ偵察に行った。