純情、恋情、にぶんのいち!



頭ひとつ分くらい背が高い。

こうして改めて見ると、本当に整ったお顔をしている。


どきどきするより、ついつい引き込まれてしまう。

じっと見上げていたら、突然、とーご先輩がすごく困った感じの顔で笑った。


「……ごめん、ちょっと、勘弁してほしい」

「えっ! あっ! すみません!」


ジロジロ見すぎてしまった。
我を忘れていた。

だって、本当に、あまりにも、かっこよくて。


「……うん、でもさ」

「は、はいっ」

「でも時々、泰人を羨ましくも思う」


ヤス先輩にちらりと目配せして、もういちど、わたしに視線を戻す。

とーご先輩は少し眉を下げて笑った。


不思議。

こんなにかっこいいのに、ウッカリ目を奪われてしまうほど魅力的なのに。

どうしてこの人はこんなにも、謙遜のたぐいじゃなく、心の底から自信がなさそうな表情をするのだろう。


「積極性あるし、社交性あるし、まあ行き過ぎてるにしろ、思ったことポンポン口にできるし。おれには逆立ちしたって無理だもんな。ほんと、すごいなって素直に思うよ」


わたしとは天と地ほどの差がありそうな、すべてを持っているように見える人でも、こんなふうに思ったりするんだ。

わがままや、欲張りでなく、誰かのことを純粋なまなざしで褒めることができるとーご先輩は、単に顔がかっこいいから人気があるわけじゃないということ、知っていたつもりだけど、いま本当の意味で実感している。


「と、とーご先輩、もっ!」

「え?」