そうこうしているうちに、あれよあれよと準備が進み、あっというまにオープン時間となった。
思っていたより朝から慌ただしい!
まさか、一般のお客さんがこんなに来てくれるものだなんて、ぜんぜん想像もしていなかった。
「こんにちはー!」
とりあえず声を出しながら店内を駆けずり回る。
いつも授業を受けている教室のはずなのに、まったく別の場所みたいに感じる。
ウエストのキュッと締まったワンピース風のエプロンはなかなか動きづらかった。
それでもさーちゃんは、笑顔こそ見えないものの、ずっときれいな姿勢で歩いていて本当にかっこいい。
両脚をせわしなく動かしつつ、よそ見をしていたせいで、前方から迫っていた影にまったく気づけなかった。
――ドン、
という衝撃は一瞬で、そこから全部、スローモーション。
「うあ……っ!」
足がもつれ、腕が放りだされ、トレーに乗せていたバナナスムージーが傾いていく。
それを、別の手が的確に、それでいて無重力に、ふわりと掴んだ。
「……っと、ごめん!」
お顔も、お声も、すべてがキラキラしているお方というのは、登場の仕方までこんなにまばゆいものなの?



