「……あの、ごめんなさい」
「なにがです」
「わたしの理解が及んでなくて……正直、さっきまで、いまの先生のこともコワイって思ってしまってました」
先生が目を細める。
「仕方のないことです。僕のほうこそ、学校のなかにもかかわらず、制御できないで“彼”と遭遇させてしまい、申し訳ありませんでした。怖い思いをさせましたね」
ふるふるとかぶりを振った。
「先生が謝ることじゃないです」
でも、と言いかけた先生のせりふにかぶせるみたいに、「それに」と言っていた。
それに、なんだというのだ。
いま、いったい、なにをしゃべろうとしているのだ。
「それに……わたしの大好きなヨウ先生といのちを分かち合ってる、もうひとりのヨウ先生のことも、いまはなんとなく……否定できないです。したくないです」
ヨウ先生が“彼”と呼ぶあの人は、本当に粗悪だった。
言葉遣いも、しゃべっている言葉も、声のトーンも、いじわるな笑い方も、最悪だった。
正直とても、そんな形容じゃ追いつかないほど、怖かった。
でも彼は、きっと、絶対に、なにか必要があるから、存在しているはずなんだ。
「……そうか」
「……え?」



