純情、恋情、にぶんのいち!



少し長めに伸ばした、黒と茶のツートーンヘア。

耳元を彩る、左右あわせて7つも開いているピアス。

切れ長の目元、
薄っぺらくて横に長いくちびる。


やはりこの人も、ヨウ先生やとーご先輩に見劣りしないくらい、とてもきれいなお姿をされている。


「あれ? 千笑ちゃん、もしかしておれに見とれてくれてたりする?」

「はっ……!」


元来、イケメンに弱すぎるミーハーなので仕方がない。

ぽかんと口をあけたまま、まぬけを晒して、美しい顔を眺めてしまっていた。

そしてそれは、ぼけっとしているあいだに、いつのまにか目前まで迫っており。

そう、たぶん、わたしが一歩でも前に出たら、このままくちびるが触れあってしまうくらい……


「かわいーね、千笑ちゃん、なるほどね」


ニコッと至近距離で微笑まれる。

これが、数々の女の子たちを陥落させてきたと名高いスイート・スマイル。

実際に見るとその威力は想像以上に抜群だった。


……いやいや、と、いいますか。


「ち、ちかっ……近!!」

「うん? そうだね、いまなら簡単にキスできちゃうかも」


いじわるな感じに細まった瞳に捕らえられ、動けないでいると、背の高いヤス先輩が突然うしろによろめいた。


「――っ、泰人! だから千笑ちゃんには手出すなって言っただろ!」


ヤス先輩の肩を掴み、けっこうな力で引っぱったのは、きょうも溢れんばかりのキラキラを身にまとったとーご先輩だった。