▽
▽
先生の胸にうずくまって泣き続けるわたしの髪を、少しだけ温度の低い大きな手が、ずっと撫でてくれていた。
「おまえ、そんなに泣いてると、体中の水分なくなるんじゃねえのか」
「だ、だって……」
先生を好きになった自分の心は間違いじゃなかったと、全部を聞いて、曇りなく思える。
「わたし、ヨウ先生を好きでいてもいいんですか……?」
「そうじゃきゃ困ると言ってるんだ」
夢を見ているのかもしれない。
目を覚ましたらまた現実の続きが始まって、そこはヤス先輩の部屋ですらなくて、いいや、むしろ、ヨウ先生の秘密を知る前だったりして。
頬をつねった。ちゃんと痛い。
なにしてんだ、と先生が呆れたように笑う。
夢じゃ、ないのかもしれない。
「そのかわりと言っちゃなんだが、もう教師は辞めるつもりでいる」
これには一同唖然だった。仕方ない。
やはり、その思考はぶっ飛びすぎではないのでしょうか、先生。
さすがのさーちゃんでさえ言葉が出ないようで、目をぱちくりさせている。
「べつに、もともと教師になんてなりたかったわけでもねえし、ここらが潮時だろ。幸い勉強もそれなりにしてきたし、再就職にも困らねえよ」
「いやいや……いやいや先生」
「泣いたまま真顔になるんじゃねえよ」
そりゃあ真顔にもなります。
笑い飛ばす余裕すらないです。
わたし、もしかしたら、ものすごい人を好きになってしまったのではないでしょうか……。
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先生の胸にうずくまって泣き続けるわたしの髪を、少しだけ温度の低い大きな手が、ずっと撫でてくれていた。
「おまえ、そんなに泣いてると、体中の水分なくなるんじゃねえのか」
「だ、だって……」
先生を好きになった自分の心は間違いじゃなかったと、全部を聞いて、曇りなく思える。
「わたし、ヨウ先生を好きでいてもいいんですか……?」
「そうじゃきゃ困ると言ってるんだ」
夢を見ているのかもしれない。
目を覚ましたらまた現実の続きが始まって、そこはヤス先輩の部屋ですらなくて、いいや、むしろ、ヨウ先生の秘密を知る前だったりして。
頬をつねった。ちゃんと痛い。
なにしてんだ、と先生が呆れたように笑う。
夢じゃ、ないのかもしれない。
「そのかわりと言っちゃなんだが、もう教師は辞めるつもりでいる」
これには一同唖然だった。仕方ない。
やはり、その思考はぶっ飛びすぎではないのでしょうか、先生。
さすがのさーちゃんでさえ言葉が出ないようで、目をぱちくりさせている。
「べつに、もともと教師になんてなりたかったわけでもねえし、ここらが潮時だろ。幸い勉強もそれなりにしてきたし、再就職にも困らねえよ」
「いやいや……いやいや先生」
「泣いたまま真顔になるんじゃねえよ」
そりゃあ真顔にもなります。
笑い飛ばす余裕すらないです。
わたし、もしかしたら、ものすごい人を好きになってしまったのではないでしょうか……。



