「……先生っ……」
どうしてこんなにも先生が好きなんだろう。
どうして先生じゃなきゃダメなんだろう。
「千笑ちゃん」
沈みかけた顔を、そっとすくい上げてくれるような声。
「千笑ちゃん、言いたいこと言おう。だれも、なにも、関係ない。千笑ちゃんはどうしたい? 誰の傍にいたい? その涙を、誰に拭ってほしいと思ってる?」
とーご先輩の声はこんなときでもキラキラしてるんですね。
優しくて、やわらかくて、まるくて、ああ、そうか、このあたたかさこそが、とーご先輩のキラキラの源なのかもしれない。
「っ、先生じゃないと嫌です……!」
導かれるように喉からこぼれたその一言を、後悔している時間なんてなかった。
それより先に、わたしは大きな温もりに包まれていた。
よく知っている、大好きな温もり。
先生の、温もり。
――なにが、起こっているというの。



