「ほら、チィちゃんに笑われてるよ~」
どこかムッとしたままのとーご先輩の顔がこっちに向いた。
マズイと思い、慌てて笑顔を隠そうとして、次の瞬間には固まってしまう。
「……千笑ちゃん、笑ってくれた。よかった」
どうしてこんなにも惜しみなく、優しい微笑みを、わたしみたいな最低なコにもむけてくれるのだろう。
「立ち話もなんだしさ、早く行こうよ」
「そうだな。千笑ちゃん、おれが荷物持つから」
幼なじみで親友のふたりが会話をしながら流れるように歩きはじめる。
後ろから見ていても、本当にサマになる絵面だと思う。
すれ違う女の子たちが全員ふり返っているのはきっと気のせいじゃないし、おまけみたいにくっついているわたしみたいなちんちくりんが二度見されているのも、絶対に思い違いじゃない。



