笑えないです。
弱っているときにそんなふうに言われたら、わたし、
「だからもう、泣かないでよ。悔しくなる」
「……っせんぱ、」
わたし、本当にダメな子になってしまう。
「……ごめん、また困らせちゃったね。おれ、これから泰人と待ち合わせしてるんだ」
「え……」
「一緒にバッセン行くだけなんだけど、千笑ちゃんも来る? 楽しいことしようよ」
とーご先輩は、自分のほうのカフェオレをいっきに飲み干すと、今度は困ったふうじゃなく、いつものキラキラの顔で笑ってくれた。
「……バッセン、行ったことないです」
「そっか。どうする?」
「い、行きたい、です!」
「うん、じゃあ一緒に行こう」
わたしもカフェオレをいっきに飲み干した。
差しだされた手、迷ったけど、掴むのはやめておいた。
なんとなく、いまは、自分の足だけで歩いていきたかった。



