朝の駅ナカのカフェは、出勤前の忙しいサラリーマンやOLで溢れかえっていて、わたしたちの空間だけなんだか異質なように思えた。
「なにか飲む? カフェオレでいいかな」
「……あ、りがとう、ございます」
とーご先輩が買ってきてくれたカフェオレは、温かくて、ほんのり苦くて、それでいてどこか甘い味がする。
ほっと、してしまう。
それでも顔は見られなった。
いま目を合わせてしまったら、なにか悟られる気がして、こわかったんだ。
「……落ち着いた?」
「はい……。あの、ごめんなさい。迷惑……」
「べつに迷惑だなんて思ってないよ。知ってるコが泣いてるのに放っておけるわけない」
「……っ……」
とーご先輩の優しさには、下心も、裏表も、なんにもなくて、きゅっと胸が苦しくなる。
こんなにも偽りのない、本物の優しい心を持っている人って、きっとそんなにいない。
だから、なんとなく、すごく苦しい。
ここのところ、わたしは自分の醜さを、嫌というほど思い知ってしまったから。
「それより、体調が悪いわけではないんだよね?」
「あ……はい、からだは、大丈夫です」
「そっか。それならいいんだ」
じわりと涙が目に溜まっていく。
わたし、いますごくずるくて、最低な女の子だ。



