――だから、待たない。 もう苦しいのは嫌なのです。 先生を苦しませたくないのです。 邪魔者にはなりたくないのです。 自分のこと、嫌いになりたくないのです。 だから、これ以上はきっと、無理ですね。 「……先生、大好きです」 かすかな声は、冷たい空気と混ざりあうより前に、わたしの口のなかで消えた。 ――先生、 先生、本当に、さよならです。 ▽ ▽