「はああああああ……」
「なに、なんでここでため息?」
「さーちゃん、この世には知らないほうがいいことが、たくさんあるんだね……」
「なんの話?」
なんの話か、って?
「……だめ。思い出しただけでもおぞましい」
ぶつぶつと全身にサブイボが生まれる。
顔までザワザワする。
やっぱりあのとき、カンちゃんに棒が当たればいいのに、なんて思ったのがいけなかったのだ。
人を呪わば穴ふたつ、は、絶対的に本物だ。
「なんかきょうのチィ、全体的におかしい」
「そりゃあおかしくもなりますよ……」
「だからなんの話よ、って」
だから、なんの話か、といいますと、
「……あのね、これぜったい誰にも言っちゃだめだよ、あのね……ヨウ先生ってホントは、」
――ぞくり、と
いきなり、背中に感じたひんやり感。
涼しい、よりもっと冷たい。
寒い、よりタチが悪い。
まさか、気のせいだと思ったけれど、その声を聞いた瞬間、それはたしかな悪寒へと変わった。
「まだ残っている子がいたとは」
――ヨウ先生、だ。



