万幸が得意げに笑った。
「あしたからだっけ? 旅行」
「うん、そうだよ」
「彼氏が迎えに来てくれるんだよね?」
「うん」
「楽しみだなあ。お姉ちゃんの彼氏」
にやり、と上がる口角がこわい。
さすがの万幸にも、学校の先生だということは言っていないから、どうしよう。
「だ、だめっ」
「いいよ、勝手に見るだけだから」
「なんだとう……」
「いいじゃん。お姉ちゃんだってあたしの彼氏見たことあるんだし。けちぃー」
見たことあるもなにも、家に何度も連れてきて、夜ごはんをいっしょに食べたりもしていたら、そりゃ見ずにはいられないだろう。
勝手に連れてきて勝手に紹介したくせになにを言う。
「お姉ちゃん、そろそろ寝なくていいの?」
「あっ、もうこんな時間! おやすみ!」
翌日に備えて早めにベッドに入ったのに、わくわくとどきどきで結局2時間は眠れなかったと言ったら、先生は笑うかな。



