純情、恋情、にぶんのいち!



「……お姉ちゃん、ひとりで百面相するのやめてくれる?」

「えっ……」


はっとして顔を上げると、万幸があきれたように笑っていた。
こういう顔は姉のわたしよりさーちゃんのほうに似ている。

似たものどうしだからか、万幸とさーちゃんはウマが合うようで、けっこう仲が良いのだ。


「お姉ちゃんはもっと自分に自信もっていいと思うよ」

「え……えっ、なに、こわい、万幸がわたしにデレてる……」

「ま、お姉ちゃんはたしかにー、顔もスタイルもザ・普通だけど」

「…………」


ぜんっぜん嬉しくない。

たしかに万幸は、美人で、スタイルもよく、神様どうやってDNA情報を組みこんだのかと疑問に思うほど、わたしたちは似ていないわけですが。


「でもさ、お姉ちゃんには不思議な力があるんだよね。周りをこう、ほわってあったかくするっていうの?」

「……ほ、ほわ」

「うん。それって努力じゃどうにもできない才能だし、お姉ちゃんのいちばんの魅力だと思うよ」


ほわってあったかくする、
が具体的にどんなものなのかはわからないけど、褒めてくれたのは素直に嬉しかった。

万幸は嘘だけはつかないから。
そう育てられてきたわたしたち姉妹は、喧嘩が多くて、だからこそ、すごく仲が良い。