「……放って、おけない、ですか」
言いながら、自分で自分の首を絞めているみたいな苦しさを覚える。
「いや……それは、なんの言い訳にもならない」
先生は、イエスでもノーでもない答えを言った。
「おまえを巻きこんでいい問題じゃなかった」
それは、わたしは、蚊帳の外だということですか。
「ごめん、悪かった、ダメだな、全然、俺は」
ひとりごとみたいに言いながら、とても悲しそうな表情をするから、思わず手を伸ばして、その頬に触れていた。
「……先生、」
先生は、ずるいね。いまになってそんな顔を見せるなんて。
「先生、お願い……」
その悲しそうな表情が嘘じゃないのなら。
わたしのこと、ほんのちょっとでも、大切だと思ってくれているのなら。
世界一最低なお願いが、ひとつだけあります、先生。



