純情、恋情、にぶんのいち!





待ち伏せしたのは完全なルール違反だったと思う。


だけど、どうしても、会いたかった。

あしたから始まる春休みに突入したら、毎日のように見ていた先生の顔をなかなか見られなくなるのだと思うと、たまらなく不安になった。


なにも報告しないまま、終業式後にさーちゃんとお茶した帰り道、黙って先生のマンションにやって来たのは、絶対にわたしが悪かったよ。

でも、だって、ただ、安心したかっただけなの。

だって先生は、嫌な思いさせて悪かったと、気にしなくていいと、言ってくれたじゃないですか。


「――千笑、」


先生が困った表情をしていた。

普段はあまり見ることのできない、めずらしい、困惑と焦り。


それが、仮にわたしのためにくれたものであれば、許せたかもしれない。

だけど、先生のそれは、いつだって彼女のためにある。


「なんで、ここに?」


落ち着き払った声だった。
なにもやましいことはない、と言ってくれているみたいに。


けれど隣に立っている麻里香さんが、とても不安そうな、傷ついたような、申し訳なさそうな、なんとも形容できない悲しげな表情を浮かべていて、

一瞬で、悟った。