次から次へ、ひっきりなしに移り変わりゆく、窓の外側の世界。
家までの景色、先生の車のなかからこんなふうに眺めたことなんて、いままでに一度だってなかった。
だってね、いつも、わたしは先生の横顔だけを見ているから。
先生と彼女とのあいだには、わたしではとうてい敵わないような、圧倒的な時間がある。
後ろから見ていてわかる。
会話はない。触れあいもない。
けれど、そこには確かに、覆ることのない時間があるように思う。
上手く言えないけど、ふたりはすでに、お互いがお互いのことを深く理解しているような、そういう完成された空気感を纏っていた。
本当に、ふたりはただの、“実習生と生徒”でしたか。
「……先生、」
「なんだ」
「わたしの家に、向かってますか」
「そうだよ」
いつもとどこか違う、彼女に話していたときよりもほんの少しだけ、優しい口調。
それがまた気に入らなかった。
きっと先生がどんな態度をとっても、なにを言ったとしても、わたしはそのすべてを気に入らないと感じるのだろう。
こんなふうに、イライラして、すねて、幼い子どものようにわがままになる。
「……そのあと、は?」
だって、ふたりは絶対に、ただの実習生と生徒なんかじゃない。



