純情、恋情、にぶんのいち!



「こんなにおっきいのもらったことありますか?」


鼻息荒く訊ねると、先生はくすくすとおかしそうに笑い始めた。


「なんで笑うんですかあー!」

「いや、野村さんらしい発想だな、と思って」


お馬鹿さん、といちばんうしろにくっついたのを、サイレントでもわたしは聞き逃さなかった。


「べつに、いらないなら食べなくてもいいですよっ」


机の上からからケーキを回収すると、ヨウ先生はなおも笑いながら「ごめんね」と言った。

本気じゃない謝罪は、わたしが本気で怒っていないことをわかっているからだ。


「拗ねているの?」

「べつにぃ」

「ケーキ、もうくれませんか」

「どーせわたし以外のコからもたくさんもらったんでしょ」

「きみのじゃないと意味ないですよ」


たまに、そういうことを、さらっと言う。

チョコよりずっと甘いふいうちの台詞に、不覚にもどきどきしてしまったことがなんとなく悔しくて、さらにすねたふりを続行した。


「おい、コラ」

「…………っ!!」

「いつまで拗ねてんだ」