純情、恋情、にぶんのいち!



キラキラ・アイズと、いきなりばちっと視線が合い、かと思えば名前を呼ばれたので、勢いあまって舌を噛みきるかと思った。


「あれ、いつのまに知り合いになったの?」


こちらにむかって爽やかに手を振る、とーご先輩。

やるじゃん、とわたしの肘を小突きながら笑うさーちゃん。

そして、とても動けない……わたし。


「いたいた、千笑ちゃん。探してたんだ!」

「な、なな、なんっ……」


あれよあれよというまに、先輩が駆け寄ってくる。

走り姿まで爽やか200%で、清涼飲料水のCMを見ているのかとボケたことを思う。


「これ!」

「え……」


とびきりの笑顔を浮かべながら、先輩が差し出したのは、間違いなく


「先輩の、ハチマキ……?」


学園中の女の子が狙っているであろう、宝物みたいな布だった。

それが、どうして、すぐ目の前にあるというのだろう?


「ど……え? あの、どう、すれば……」

「もしよかったら、受け取ってくれれば」


屈託のない、くしゃっとした笑顔。

とーご先輩は、きれいに笑うというより、かわいい感じに笑う人だ。

現実味のない気持ちでそれに見とれていると、彼の左手が、すっとわたしの右手を指差した。


「で、これもよければ、なんだけど、おれはそっちもらっていいかな?」

「っ、ええ!?」


とーご先輩の視線の先には、わたしのハチマキ。
もちろん、本日一日、しっかり使用済み。