「ヤ……ヤス先輩が、体調悪そうにしてたから、保健室にいっしょに行って……そしたら突然、その……お、押し倒されて……、そしたらとーご先輩が助けてくれて……」
「なるほど。ということは、この赤い痕は佐藤くんにつけられたもので間違いなさそうですね」
「えっ……あ……!」
先生の指先が髪から下りてきて、わたしの首をなぞった。
「まだ僕も……“彼”でさえ、痕なんかつけたことがないのに」
「え、あ……せんせ、」
「はい?」
「いやあの、手……が、」
先生の手が制服を脱がせ始めている。
あまりに手慣れていて、ガキンチョのわたしには、止める隙さえ見つからない。
「こうしないと痕をつけられないでしょう」
にっこりと笑ったヨウ先生は、到底やめる気などないみたいだ。
くちびるを塞がれる。
急くようにそれを割って入ってきた熱に、吐息もぜんぶ飲みこまれてしまう。
「んんっ……、」
眼鏡がぶつかってカチャカチャと鳴る。
少しの障害があるようで、じれったくて、もどかしい。



