純情、恋情、にぶんのいち!



先生はどこまでも大人だ。
こんな状況でも、顔色ひとつ変えたりしない。


「まったく、保健室でいったいをしているのですか。野村さん、とりあえずその制服をなんとかしなさい」

「あっ……!」


依然としてはだけている制服。
下着のホックさえヤス先輩の手によって外されたままだ。

こんなみっともない格好でとーご先輩と抱きあっていた事実よりも、この状態を先生に見られてしまったことに焦燥してしまうのだから、わたしはやっぱり、どうしてもヨウ先生のことが好きなんだ。


「早く帰りなさい」


あわてて制服を直す。

あくまでも教師としてのスタンスを崩さない先生は、やっぱり大人で、悔しくなってしまう。

ちらりと視線を送ってみても“ヨウ先生”が微笑むだけだ。


……それとももう、ほんとに、愛想尽かされちゃった?

軽い女だなって、そんなふうに思われたかな。


……いや、この状況、そう思われても仕方ない、かも。


「あとで化学準備室に来なさい。いいですね」


そっと耳打ちされて、背中に冷汗が伝った。

いつもと変わらない声色が逆にコワイ。


……まさか、先生、本当にわたしに愛想尽かしちゃったんですか?


けれど、先生を見上げても、やっぱりいつもの表情を崩したりしていないのである。