▽
呆けきった頭を揺らしながら、ふらふら下駄箱へ行くと、さーちゃんが待っていてくれた。
「お疲れさま。カンちゃんは大丈夫?」
「うん、大丈夫、もう帰るって」
いつものクールなその顔を見た瞬間、なんだか突然、現実に引き戻された感じがした。
ほんの少しだけ安心できる。
「……どうしたの? なんか顔色、悪いみたいだけど」
「えっ!?」
「なに?」
「いや、ぜんぜん、べつに、ダイジョウブ!」
「はあ? なにその反応」
いきなり、壊れた扇風機のごとくぶんぶん首を振るわたしに、さーちゃんは訝しげに首をかしげるけど、絶対になにも悟られるわけにはイカンのです!
だって……だって……!
「……まあ、いいけど。それよりチィ、上杉先輩にハチマキもらいに行かなくていいの?」
「え、だって先輩、もうとっくに帰ったんじゃ……」
「いろんな女の子に囲まれて、とても帰れる状況じゃないみたいだけど?」
ふと耳に入ってくる黄色い声。
目をやると、グランドの隅には、女の子たちに囲まれているとーご先輩とヤス先輩がいた。
さすが、おモテになるなあ。よく知っているけど。
でも、その光景はなんだか、手の届かない芸能人を見ているような感覚に近く。
あのなかに果敢に入っていこうなどという気持ちは、いざ目の当たりにすると消え失せてしま……
「――あ! 千笑ちゃん!」
「……う!?」
呆けきった頭を揺らしながら、ふらふら下駄箱へ行くと、さーちゃんが待っていてくれた。
「お疲れさま。カンちゃんは大丈夫?」
「うん、大丈夫、もう帰るって」
いつものクールなその顔を見た瞬間、なんだか突然、現実に引き戻された感じがした。
ほんの少しだけ安心できる。
「……どうしたの? なんか顔色、悪いみたいだけど」
「えっ!?」
「なに?」
「いや、ぜんぜん、べつに、ダイジョウブ!」
「はあ? なにその反応」
いきなり、壊れた扇風機のごとくぶんぶん首を振るわたしに、さーちゃんは訝しげに首をかしげるけど、絶対になにも悟られるわけにはイカンのです!
だって……だって……!
「……まあ、いいけど。それよりチィ、上杉先輩にハチマキもらいに行かなくていいの?」
「え、だって先輩、もうとっくに帰ったんじゃ……」
「いろんな女の子に囲まれて、とても帰れる状況じゃないみたいだけど?」
ふと耳に入ってくる黄色い声。
目をやると、グランドの隅には、女の子たちに囲まれているとーご先輩とヤス先輩がいた。
さすが、おモテになるなあ。よく知っているけど。
でも、その光景はなんだか、手の届かない芸能人を見ているような感覚に近く。
あのなかに果敢に入っていこうなどという気持ちは、いざ目の当たりにすると消え失せてしま……
「――あ! 千笑ちゃん!」
「……う!?」



