たまらず起き上がり、彼女の目じりに触れた。
「……泣いた?」
「あ! えっと、これは……その…」
「誰に泣かされたの?」
冬吾のために泣いたの?
それとも、そうだ、
……澄田っちのために?
「ヤスせんぱ……」
「ごめんね、ちょっとだけ、黙ってて」
手を引き、くちびるを、奪う。
とたん、甘い香りが嗅覚を満たして、理性という脆弱な命綱はぷつりと切れてしまった。
「……んんっ……、や、だ……ヤスせんぱっ……!」
「そんなカワイイ声出さないでよ」
澄田っちにはもう、そんな甘い声を聞かせた?
……ああ、ごめんね。泣かせちゃったね。
これからもっと傷つけてしまうけど、
だから、どうか、おれのこと、嫌いになって。
「……気持ちよくしてあげるから」
「っヤス先輩、なんでっ……」
「『保健室に行こう』って言ったのはチィちゃんのほうだよ?」
怯えた瞳をする彼女の手首をネクタイで拘束して、軋むベッドに沈めた。



