純情、恋情、にぶんのいち!



Side.YASUTO





幼なじみの親友がいきなりおれの元を訪ねて来たのは、コタツのなかでゴロゴロしながらまったりテレビを見ているという、最高に気の抜けた時間帯だった。


「ごめん、突然来たりして」


おれたちはもう家族同然の親しい間柄に違いないのに、冬吾はいまだにウチに来る前の連絡を欠かさない。

いつも、そういう律儀すぎるやつだから、たしかに連絡ナシでやって来たのはかなりめずらしいことではあった。


「いーよべつに。なんか食う?」

「いや、いい」


冬吾は隠し事ができない男だ。

すぐ顔に出てしまうところ、本当に昔から変わらない、なかなか真似できない長所で、どうしようもない短所だと思っている。


冬吾はおれの部屋に入るなり、ずっとむずかしい顔をして、大好物なはずの大福を出してもいっさい手をつけないでいた。

これはかなりデカイ事件のにおいがする。


「……で?」


当の本人がいっこうに口を開こうとしないので、これでは埒が明かないと思い、仕方ないのでおれのほうがしゃべってやることにした。


「きょうは、あれだろ、念願のチィちゃんとデートだったんだろ」

「……うん」


なるほど、それはよかった、
でもこの表情を見るに、良い話はあんまり期待できそうにないな。