「……ええと、ごめん」
「えっ」
「それってさ、まさか泰人……ではないよね?」
「えっ!?」
どうしてここでヤス先輩の名前が出てくるわけ!
思わずツッコミそうになったけど、目の前にある瞳はいたって真剣な色をしていらっしゃる。
「ヤ、ヤス先輩、じゃないです! ほんとです!」
「……そっか。それならいいんだ」
「あの、どうしてヤス先輩だと……」
「泰人はいつも“そう”だから」
そう、って、どう?
目が合うと、とーご先輩は少しだけ弱った感じに目じりを下げた。
たしかに、女の子の扱いがプロ級にうまくて、いろんな子といろんな関係をもっているのはヤス先輩のほうかもしれない。
だけどとーご先輩にはまた違った魅力がある。
無意識のうちにたくさんの子のハートを奪ってしまっていること、ちゃんと自覚していらっしゃるのかな?
ふたりはよく比べられているけれど、比べることなんてできないほどぜんぜん違う、どちらも本当に素敵な人。
こうして近くでお話をするようになってから、そのことがよくわかったんだ。



