「……ええと、20代、に見えます」
「適当なこと言ってんじゃねえぞ」
「えっ、違うんですか!?」
「誰が違うって言った?」
「ええっ」
テイッと手のひらでオデコを弾かれる。
そのはずみで、前後にゆらゆら、起き上がりこぼしみたいな動きになってしまう。
「大卒ですよね? でも、新任の先生じゃないはずだし……」
額をさすりながら真剣に考察を始めると、先生は、もういいよ、と面倒くさそうにそれを制止した。
「26」
にじゅうろく、
その響きを頭のなかで数字に直すまでに少し時間がかかった。
「26……」
くり返してみる。
26歳。
思ったより若かった気もするし、もっと若々しく見える気もする。
わかったつもりでいたけど、ヨウ先生は、想像以上にけっこう不思議な人かもしれない。
「26歳の男の人は、16歳のコムスメのこと、いつになったら恋愛対象として見てくれるようになりますか」
「さあな。50・40くらいになったらいけるんじゃないか」
「ええ、そんな……オバサン……」
「そのときは俺だってジジイだろ」
ジジイになった先生と、オバサンになったわたし、
思わず想像してみたら笑ってしまった。
もしそんなうんと先の未来まで、先生がわたしのハートを掴んで離してくれなかったら、絶対に責任とってもわらないといけないな。



