「……先生」
わたしもカウンターのむこう側に移動し、先生の背後に立つと、両腕をおなかにぐるんと回した。
「なんだ、くっついてきて」
「……あのね、サンタさんが、プレゼントくれたんですよ」
ゆっくり、優しく、お湯を注いでいる横顔が、ふわりと笑ったのが、見えなくともなんとなくわかった。
「へえ」
「すごくかわいいネックレスだったんです」
「そりゃよかったな」
先生はコーヒーを入れる手を止めない。
ついでにトーストも焼きはじめてくれたけど、わたしはかまわず、手のひらにぎゅっと力をこめた。
「……ありがとう、先生」
「なにがだ」
「サンタさんは、先生……ですよね」
こういうキザなことは絶対にしない人だと思っていたから、意外だったけど。
でも、だからこそ、そのぶん、本当に、本当に、いまにも踊りだしちゃいたいくらい、うれしい。
先生は、ふっと息を吐くみたいに小さく笑い、やっとこっちを向いた。
そうして、ぽこぽこ頭を撫でてくれながら、きょうもイエスかノーかをはっきり言わない。
「着けねえの?」
「っ、先生が着けてください!」
手渡した銀色は意外にも受け取ってもらえた。
あっち向け、と言われたので従うと、すぐに鎖骨の上あたりに冷たいものが触れた。



