純情、恋情、にぶんのいち!




次に目が覚めたとき、ずっと感じていたはずの温もりは、跡形もなく消えていた。


……寒い。

起きぬけのボケた頭のまま、ぐるぐると体に布団を巻きつける。
いっぱいに先生の香りがして、いっきに頭が冴えていく。

背中から伝わる先生の温もりの心地よさが、いきなり体じゅうによみがえって、どきどきした。


壁に掛かっている時計が示すのは午前9時の少し前だ。


「……ふぁあ、ねむ……」


ずいぶん長いあいだ寝てしまっていた。

まぶしすぎる朝日に目を細めつつ、ベッドから這い出ると、先生がいなくなったシーツの空白の部分に、なにやら小さな箱が置いてあった。


「んん、なに……?」


細長いかたち。
白と赤が基調のそれには、どこかかしこまった空気感さえ漂っている。

飾ってあるゴールドのリボンは、細かなラメで輝いていて、触れるのすら少しだけためらった。

ぐっと顔を近づけ、添えられている名刺サイズの白いカードをよく見てみる。


―― “Merry Christmas.”


……これは、もしや。

いや、そんな、まさか。


「……サンタさん……!?」


高校生になったらサンタさんが来なくなるのよ、って、去年のクリスマス、お母さんに言われたけど。

丁寧にリボンをほどき、少しこわごわした気持ちで箱を開けると、そこにはかわいらしいネックレスが横たわっていた。