「……はい、本気です」
「あんまり甘えたことばっかり言ってると、ほんとに“俺”は容赦しねえからな」
「……え、」
「言い出したのはおまえだろう」
「で、でも……」
先生の手のひらが、トレーナーの下にやって来て、わたしのお腹のあたりの肌を撫でた。
思わず身を固くする。
先生は、それを感じるなり手を引っこめて、もういちど息を吐いた。
「なにもしねえよ。そこまで軽率じゃない」
「……それは、わたしが“生徒”だから? そうじゃなかったら、違ってた?」
違う、と、先生がきっぱりと言う。
「俺が……“あいつ”が、教師だからだよ」
そう言われたらもうなにも反論できない。
だって、わたしは、教師をしている先生のこと、とても好きだから。
「おやすみ、千笑」
だけどね、わたし、先生になら、本当になにをされてもかまわなかった。
そう思ったことだけは、わたしのなかに、教師とか生徒とか関係なく、たしかに存在している気持ちなのです。



