ベッドに座ってみても、横になってみても、どうしたって落ち着かない。
そうしているうちに先生がお風呂から出てきたらしく、ベッドルームに顔を出した。
湯上がりの濡れた髪。寝るためのラフな服装。
先生のこんな姿を知っている学生は、わたしだけで間違いない気がする。
「おまえ、今夜はそこで寝ろ」
「先生、は?」
「俺はリビングのソファで寝る」
……どうして?
いっしょに寝たいって、わたしが言っているのに。
「じゃ、おやすみ。腹出して寝るなよ」
そう言い残し、踵を返した先生の背中に駆け寄って、思わず抱きついた。
腕の震えが伝わってしまわないよう、力を込めることで精いっぱいだ。
「……離せ」
「や……」
「わがまま言うんじゃねえよ」
背中越しに、わたしの心臓の音、伝わっているだろうか。
こんなに本気でわがままを言っているのに、またはぐらかされるのは、嫌だ。
「っ、脅迫、です」
「俺の立場を考えろ」
「生徒にむかって犯すぞって言うし、おうちに入れてくれるし、ふつうにお酒飲むし、キスしてくるくせに、ですか?」
ずるいことを言っている自覚はある。
でも、もっとずるいのは、先生のほうだ。
「先生といっしょにいたいです。 ……っ、なにをされても、かまわない、です」



