もしかしたら覚悟を決めるときなのかもしれない。
……でも、わたし、先生なら、いい。
「…………っ」
意を決し、ぎゅう、と目を閉じる。
「…………」
「……」
「……、……?」
待てど暮らせど、いっこうになにも始まらないので、とうとう目を開けてしまった。
薄目で見上げた先生のむこうにある光が、闇に慣れた瞳の奥の神経をつんと刺す。
「……さてと」
「え……?」
「腹減ったし、なんか買ってくる」
「……えっ?」
「俺はまだなんも食ってねえんだよ。おまえはおとなしくそこでノビてろ」
「ええっ」
なんだと、なんですか、このオチは!
何事もなかったかのように、さっと立ち上がった先生は、余裕綽々な笑みだけを残してあっというまに行ってしまった。
大人になると、こういうオンとオフも、上手に切り替えられるようになるものなの?



