お腹の下あたりから、じわり、じわり、なにかがこみ上がってくる。
熱くてとても耐えられそうにない。
先生の腕をぎゅっと掴むと、それに応えるように、後頭部を強く抱いてくれた。
「……んっ……、」
ただひたすら、容赦なく与えられる熱を受け入れるだけだ。
頭頂部から、指先、足先へ。
体の末端まで、すべてに熱が行き届いて血液が沸騰しそうになったとき、背中にやわらかいものが触れた。
「……え……?」
いつのまにか視界に映る景色が変わっている。
目の前にある先生の顔のむこう側には、白い光があった。
あれが部屋の明かりだと認識したのと同時に、押し倒されている、ということも認識した。
「ちゃんとわかってんのか」
息が上がってしまっているわたしとは裏腹に、光を背にしたその表情は、どこまでも涼しげだ。
「男の家に来るってのは、こういうことだよ」
先生はこういう人なのだということ、いまさらのように思い出す。
先生の秘密を知ってしまったとき、迷わず「犯すぞ」と言い放ち、リハーサルだ、と手を出されそうになった。
眼鏡のない先生は、学校で教師の顔をしている眼鏡ありの先生とはまったくの別人で、
容赦のない男の人、なんだった。
「……せんせ、い」
わたしの小さな声は、先生の鼓膜を揺らすことなく、力なく消えた。



