…………って、
「だめだめだめ!」
なに、はれんちな妄想を頭のなかで繰りひろげているわけ。
恥ずかしい。
いちばん下のボタンまで外してくれた先生の手から逃れ、慌てて自力で袖の部分を脱ぎ去った。
脇の下にじっとり汗をかいていて、こればっかりは悟られるわけにはいかないと思った。
「なんだ、もうギブか?」
「…………っ」
「本当にガキなんだな」
先生を好きになってから、子ども、とか、ガキ、とか、そういう言葉に過剰反応するようになってしまった。
だって、先生の声でそう言われるたび、距離が広がっていくようで、悔しくてたまらなくて。
そんなふうに思うこと自体がすでにもう“ガキ”だという自覚はあるのだけれど。
「……ガキ、じゃない、です」
「へえ」
左の口角がいじわるに上がっていく。
目を逸らしたら、きっと、わたしの負け。
だからじっと見つめていると、先生の親指がわたしのくちびるをなぞった。
先生の指先は、思いのほかひんやりしていて、火照った体にはとても気持ちのいい温度だった。
まぬけに半分だけ開いたくちびるを、先生のそれが噛みつくように奪う。
重なった隙間から、先生の濡れた熱を直接感じた瞬間、自分でも聞いたことのないような小さくて甘い声が漏れた。



