純情、恋情、にぶんのいち!



それでも、幼稚園のころから数々の女の子を泣かせてきたというヤス先輩。さすがに手ごわい。

とーご先輩をわたしの隣に移動させ、当然のようにさーちゃんを隣に座らせる。

決して強引ではないのに、その誘導には有無を言わせない魔力があるみたいで、不思議だ。


「ここで軽くメシ食ったら、イルミネーション見に行こうよ」


熱々のミートドリアを口へ運びながら、ヤス先輩がもう決めていたことみたいに提案した。


「かなり混んでるだろうから、チィちゃん、迷子にならないように、ちゃんと冬吾の傍にいるんだよ」

「えっ」

「『え』じゃないの。冬吾もしっかりな」

「わかってるよ」


どんどん進んでいく話についていけずにいると、ヤス先輩がへらりと笑う。
そうして、隣のさーちゃんの顔を覗きこむようにして見た。


「さやちゃんは、おれの傍ね」

「わたしよりあなたのほうが心配ですけど」

「わはは、じゃあちゃんとつかまえてて」


……あれ。
なんとなく、限りなく、なんとなくではあるけど、ふたりが前よりも親しくなっている……ような、気がする。

もしかしてなにか進展があったのかとそわそわしていると、ふいに、鞄のなかに入れっぱなしのスマホが短く震えるのを感じた。